ゴリラの同性愛の実態、人間との共通点は?
オス6匹とメス1匹という集団で起きた男色
ゴリラたちの愛の園
山極教授が、五匹のオスが、一匹のメスを巡って争っていると思っていた群れ。しかし、実態は皆オスでした。
ゴリラはその大きな体に見合わず、性器は小さく、性差も六、七歳までははっきりしません。そのため、熟練した観察者でも、見間違えてしまうことがよくあるのですね。
群れの同性愛関係は、大人オス・ビツミー、子供オス・パティ間にとどまりませんでした。
パティが成長してやや年増になると、彼より年下のタイタスが人気になります。タイタスはゴリラ界では魔性の美少年だったのか、パティを含めあらゆるオスが彼と交尾しました。そして、タイタスとのセックスが引き金になったのか、この後、群れは、くんずほぐれつの乱交状態へとなっていくのです。
子供オスのパティとタイタスはお互いに役割を交換しながらセックスし、若オスのシリーとエイハブはタイタスを愛しつつも、ときにビツミーに対しては自分が受け手となることもありました。一方、大人オスのビツミーとピーナツは常に仕手で、決して受け手となることはありません。
教授は、集団を観察した十一カ月の間に、九十七例もの同性愛行動を記録しました。この間、彼らは、甲高い鳴き声をあげながら、抱き合い、腰を動かし、そして射精しました。
教授は、その印象を、「彼らが奔放な性をむさぼっているとしか思えなかった」と書いています。
そして、この群れは同性愛の関係が功を奏してか、何と7年もの間、分裂もせず存続し続けるのです。